マンション建設大手の(株)長谷工コーポレーション(東京都港区、熊野聡社長)は、農林水産省との間で都市(まち)の木造化推進法に基づく「建築物木材利用促進協定」を10月31日に締結した。同協定を民間企業等と国が結んだのは、これで27件目。
同協定に基づき同社は、木造とRC造を組み合わせたハイブリッドマンションや純木造マンション共用棟の建設を積極展開するとともに、木造・木質化に関する技術開発を進めて木材利用を拡大し、二酸化炭素(CO2)の排出削減に取り組む。また、グループ会社と連携して、植林・森林管理から建設物の解体・再利用に至る循環型森林利用システムの構築を目指す。国は、技術的助言や補助事業等の情報提供を通じて同社の取り組みを支援していく。協定の有効期間は、2031年3月31日まで。
協定締結式に出席した鈴木憲和農相は、自民党の木造化推進議員連盟の事務局長をつとめ、自宅を同社から購入したエピソードを交えながら挨拶し、「我が国は森林大国と言われているにも関わらず、なかなか高層建築物で木造化が進んでいない。東京や大阪の街に木造ビルが林立すれば都会が森になる。そんな素敵なことはないだろう」と強調した。

また、同社の熊野聡社長は、(株)ウッドフレンズ(愛知県名古屋市)の買収*1や奈良県五條市での「HSウッド」工場建設*2などに触れた上で、「グループ全体で木材活用を強め、社会への貢献と企業価値の向上に努めたい」と抱負を述べた。

なお、熊野社長は、奈良県立畝傍(うねび)高校から神戸大学に進み、同じ高校と大学を卒業した高市早苗首相の1年次後輩にあたる。この点を踏まえ、「奈良県に風が吹いてきたかなと感じている」とも語った。
(2025年10月31日取材)
(トップ画像=協定書を手にする熊野聡・長谷工コーポレーション社長(左)と鈴木憲和農相)
『林政ニュース』編集部
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