群馬県長野原町の北軽井沢に製材所「木挽ラボ」が完成し、昨年(2021年)12月16日に稼働を始めた。同地域では約40年前にすべての製材所が廃業していたが、地域産材の加工拠点が“復活”を果たした。
針葉樹・広葉樹を問わず多角的に加工・販売、薪も生産
「木挽ラボ」は、北軽井沢に本社を置く(有)きたもっく(福嶋誠社長)が運営し、年間800~1,000m3の原木を製材する。長野県の木材機械業者が仲介し、山形県の中古木材機械業者が修理・整備した直径1m10cmまで挽けるシングルの帯鋸製材機を導入した。

同社は、キャンプ場の運営を主軸にして、住宅建築や家具製造、養蜂など様々な事業を展開しており、企業方針として35km圏内の地域資源の活用を掲げている。
「木挽ラボ」では、地域産のアカマツやカラマツ、ミズナラなどを、住宅用の構造材や内装材、デッキ材、家具材などに加工し、販売する。製品は、市場経由で一般流通させるだけではなく、自社で展開する住宅や家具でも利用する。
「木挽ラボ」の隣には薪生産ラインが併設されており、広葉樹材を中心に年間約2,000m3を生産する予定。福嶋淳平・地域資源活用部長は、「この体制ならば針葉樹・広葉樹を問わずどんな樹種でも受け入れることができる」と話しており、多少の腐れや曲がった材でも自社物件の内装材などとしてワンポイント的に使用する方針。今後に向けて、「多様な樹種を選り好みすることなく加工・利用し、地域資源の価値を最大化する拠点になっていきたい」と意欲をみせている。
(2021年12月16日取材)
(トップ画像=「木挽ラボ」の外観)
『林政ニュース』編集部
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