厚さ約0.2㎜の国産ツキ板を和紙の代わりに使った環境書道展「いのちの木」が1月12日から16日まで東京都世田谷区の世田谷美術館で開催された。同区で書道教室を開いている玲書館(山本玲葵主宰)が主催したもので、全天連(全国天然木化粧合単板協同組合連合会)の協力を得て、ヒノキ、キリ、スギ、センのツキ板を台紙にして絶滅危惧種をテーマに書いた作品を展示した。

1月15日には開催式典を行い、同区長の保坂展人氏、前林野庁長官の本郷浩二氏、東京農業大学客員教授の宮林茂幸氏が中心となってトークセッションを実施。保坂氏は、二子玉川公園で進めている「いのちの森」づくりなどを紹介した上で、「森林環境譲与税を活用して農山村の自治体との交流をもっと進めたい。個人的には各地の木材を加工する工房があればと考えている」と述べた。
環境書道展を企画した玲書館の山本主宰は、自然や森林と関わる重要性を書で伝える「アウトフィールド書道」という独自の取り組みを行っている。国連生物多様性10年委員会アクション大賞で入賞するなど評価が高まっており、「国産ツキ板と書道を組み合わせることで、循環利用の大切さをより多くの人に伝えることができた」と手応えを話している。
(2022年1月12日取材)
(トップ画像=ツキ板に書いた約250点の作品が展示された)
『林政ニュース』編集部
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