「黄金の森プロジェクト」に新ビジネスフィールド─久万造林+NcDひふみ

愛媛県 森林の新たな利用

久万造林(株)(愛媛県久万高原町、井部健太郎社長)が実施している「黄金の森プロジェクト」が新たなステージに入った。造園業者とタッグを組み、「自然環境を整えながら人と自然が共生できる空間」を目指したフィールドが完成。1月16日にお披露目会となる植林イベントを開催し、約20名が参加した。

同フィールドは、0.7haの皆伐跡地に直径10mのサークルやウッドデッキなどを整備したもの。カフェを併設している同社事務所から車で約5分とアクセスがよく、利用しやすい。植林木は、造園業者や面河山岳博物館(久万高原町)の学芸員らと連携して地域植生を調査し、コナラやケヤキ、トチノキなど8種類に決めた。

参加者の集合写真、2段目中央が井部健太郎・久万造林社長

同プロジェクトに協力している造園業者は全国4か所に営業所を持つNatureconnect designひふみ(沖縄県那覇市、多田弘代表、略称「NcDひふみ」)。NcDひふみは、地域にある自然のデザインを庭づくりや空間演出に取り入れており、三井不動産(株)や森ビル(株)、那覇市などからの依頼も手がけている。

久万造林の井部社長は、「造園業者と林業家の視点が異なるからこそ、シナジー(相乗)効果が生まれる」と協業の成果を語っている。

今後、同フィールドはイベント開催スペースとして、観光業関係者やアウトドアブランドなどに貸し出し、“テナント料”で稼ぐビジネスモデルを目指す。

井部・久万造林社長の話「0.7haで月十数万円の売り上げが見込めれば、林業経営の安定化が目指せる。次は大径木のあるエリアを間伐して、同様のフィールド整備に取り組みたい」

(2022年1月16日取材)

(トップ画像1月16日に植林イベントを行った)

『林政ニュース』編集部

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