(株)竹中工務店(大阪市、佐々木正人社長)などは、長野県木曽地域にある廃校2校を再利用して合板を生産する新規プロジェクト*1の全容や事業計画を9月25日に発表した。

プロジェクトの名称は「シンゴーハン」(仮称)とし、同社と(株)Tree to Green(東京都渋谷区、青野裕介社長)、(株)ソルトターミナル(長野県塩尻市、友保悟郎社長)、(株)丹青社(東京都港区、小林統社長)が共同出資して運営会社の(株)ツミカサネ(長野県木曽町、青野裕介社長)を設立し、塩尻市の旧楢川中学校を「第1工場」、木曽町の旧上田小学校を「第2工場」として内装用化粧合板など高付加価値製品を生産する。原料には、木曽地域から産出される未利用の小径木(小径丸太)を使用し、第1工場で単板に加工した後、第2工場で最終製品に仕上げる。現在、両工場の施設整備や製造ラインの設計などを進めており、来年(2026年)秋から本格稼働させる予定。第1工場については、交流・イノベーションの場となる「森林ハブ拠点」として活用することも検討している。

大手ゼネコンの竹中工務店は、「シンゴーハン」プロジェクトを循環型経済の構築を目指す「木曽森林グランドサイクル構想®」の中核事業に位置づけており、Tree to Greenは木工等の振興、ソルトターミナルは地域課題の解決、丹青社は空間デザインなど、各社の専門性を活かしながら取り組みを進めていく方針。なお、ツミカサネの青野社長は事業規模について、「年間の原木(丸太)消費量は1,000~3,000m3くらいでスタートし、段階的に増やしていく」との方向性を示している。
(2025年9月25日取材)
(トップ画像=「第2工場」の完成イメージ)
『林政ニュース』編集部
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