小山町でチップ・ペレット工場&木質バイオマス発電所が稼働を開始

静岡県小山町の(株)FORESTCYCLE(込山功次社長)が建設を進めてきた木質チップ・ペレット製造工場と木質バイオマス発電所の竣工式が9月4日に開催され、本格稼働に入った。

同社は、静岡県小山町と御殿場市のエリアで一般・産業廃棄物の処分事業や建屋解体事業などを行っている富士総業(株)(同、同)のグループ会社。新設した工場と発電所には、三洋貿易(株)(東京都千代田区、新谷正伸社長)が納入・メンテナンスするチップ・ペレット加工設備と木質バイオマスガス化熱電併給設備があり、年間の原木消費量は約1万2,000m3、ペレット製造量は約6,000t、発電規模は370万kwhになる。

発電した電力はFIT(再生可能エネルギーの固定価格買取制度)を通じて売電し、ガス化に伴って発生する熱は木質チップの乾燥に利用する。生産したペレットは地元の木質バイオマス発電所やペレットボイラーなどの燃料に、チップは近隣にあるパーティクルボード製造工場に供給する。

台風災害を契機として森林整備に注力、町をあげて地元材活用

工場と発電所の運営を支える富士総業は、1983年に創業し、2013年から木質ペレットの製造事業を開始。2019年には木質バイオマスガス化発電設備を導入するなど運営のノウハウを蓄えてきている。

拠点を構える小山町は、2010年の台風災害を契機として森林整備に力を入れてきているが、町内には森林組合がない。そこで民間の素材生産業者や製材所が連携して静東森林経営協同組合(仲尾浩代表理事)を設立し、森林経営や原木流通を担っている。

小山町は、2013年にバイオマス活用推進計画を策定しており、新設した木質チップ・ペレット製造工場と木質バイオマス発電所は、町をあげた取り組みの一環になる。

(2025年9月3日取材)

(トップ画像=竣工した木質チップ・ペレット製造工場と木質バイオマス発電所、画像提供:三洋貿易)

『林政ニュース』編集部

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