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大手建機メーカーのコマツ（（株）小松製作所、今吉琢也・代表取締役社長・CEO）は、100％子会社のコマツフォレストAB（スウェーデン）が製造した高性能林業機械を利用した「CTL工法」（Cut to Length工法＝短幹集材）を日本に本格導入する（５月９日に発表）。
同社はこれまで日本国内で建機及び林業用アタッチメントの販売などを行ってきたが、欧州で普及しているCTL工法を日本版にアレンジして、伐出作業の生産性と安全性の飛躍的向上を目指す。
「CTL工法」を北海道、本州、九州の３地域で実証
CTL工法とは、ハーベスタが林内で伐倒、枝払い、玉切りを行い、フォワーダが原木（丸太）を回収して搬出するシステム。基本的に、２人のオペレーターで効率的な作業が行える。
同社は、林業機械事業を建設・鉱山関係の機械事業に続く柱に育てる方針をとっており、先行している欧州では、CTL工法向けの製品やサービスが高い評価を得ている。その実績を活かして、日本の林業機械化を加速し、ビジネスの拡大を図ることにした。
導入する高性能林業機械は、「ハーベスタ931」（運転整備質量21.9ｔ）と「フォワーダ855」（最大積載質量14ｔ）。５月から約１年間をかけて、北海道、本州、九州の３地域で順次CTL工法の有効性を検証し、一部地域では従来工法との生産性比較も行う。
また、ICT（情報通信技術）を活用して、高性能林業機械から得られる位置情報、生産計画・実績などのデータと、現場の樹種分布情報を組み合わせて可視化し、伐採・搬出の最短ルートを解析するツールも開発する。
まず北海道にある三井物産（株）（東京都千代田区、堀健一・代表取締役社長）の所有林で、三井物産フォレスト（株）（同、神野泰典・代表取締役社長）と共同してCTL工法の実用化に着手することにしている。
（2025年５月９日取材）
（トップ画像＝ハーベスタ931、画像提供：コマツ）
『林政ニュース』編集部
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