北海道ガス(株)(札幌市、大槻博社長、略称「北ガス」)は、6月11日に南富良野町(池部彰町長)と連携協定を締結し、同町内のカラマツ林約140haを今年度(2021年度)中に取得して、温暖化対策などに活用する計画を明らかにした。
取得を予定しているのは、石狩川の上流部にあるかなやま湖に隣接する約50年生のカラマツ林142.82ha。現在は、南富良野町森林組合が約60ha、個人が約20haを所有し、約60haは共有林となっている。これを北ガスがまとめて購入し、一体的に管理・経営できるようにする。具体的な森林施業等は、南富良野町森林組合に委託する予定。森林整備を通じて得られるCO2(二酸化炭素)吸収量は、国のJ―クレジット制度*1によって価値化し、北ガスのカーボンニュートラルに向けた取り組みに利用する。
北ガスの担当者は、森林を取得する目的について、「弊社が長期的かつ安定的に森林を保有することで、地域や環境に貢献できる」と話すとともに、「カーボンオフセットを前提とした取得は初めてになるので、地域と連携して取り組んでいきたい」との姿勢を示している。
このほか両者は、協定に基づき、エネルギーの地産地消によるまちづくりや、道の駅を中心とした公共施設等の災害強靭化プロジェクトでも協力する。同町は、木質バイオマスボイラーや太陽光発電設備などを導入して公共施設に熱や電気を供給しており、北ガスの知見や技術力を加えることで、再生エネルギー利用の加速化を図る。
また、来年6月に地域材を使った木造平屋建ての複合施設ができ、20...
『林政ニュース』編集部
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