全国森林組合連合会と農林中央金庫は、低コスト再造林と林業安全教育に関する2つの共同プロジェクトをスタートさせた。
コウヨウザンやコンテナ大苗を活用、3か所で5か年実証事業
「低コスト再造林プロジェクト」では、①早生樹・コウヨウザンの活用、②コンテナ大苗による一体作業、③植林の疎植──によって、短伐期で経営が成り立つ施業体系を構築するとともに、コウヨウザンの販路開拓にも取り組む。
具体的に、①では伐期を50年から30年に短縮し、②では地拵えの省略や下刈り回数を削減し、③では植林本数を㏊当たり約3,000本から1,500本にまで減らす。
長野県の根羽森林組合、広島県の三次地方森林組合、宮崎県の都城森林組合の3か所で、5か年の実証事業として実施する。
VRゴーグル型専用機で林業現場を疑似体験、レンタルを推進
林業安全教育に関する共同プロジェクトでは、バーチャル・リアリティ(VR、仮想現実)の技術を使ったゴーグル型専用機の導入を進める。これを装着すると林業現場が疑似体験でき、危険な作業を回避する方法などを何度でもトレーニングできる。一連のシステムを「林業安全教育360VR」と名付け、農林中金の助成事業を活用して1セット(ゴーグル2台)を1週間あたり2万8,000円(運送費等込み)でレンタルできるようにした。森林組合系統だけでなく、民間事業体や林業大学校など、「誰にでも幅広く貸し出す」(全森連)方針。問い合わせ等は、全森連購買課(☎032-3294-9718)へ。
(2020年7月10日取材)
(トップ画像=低コスト再造林プロジェクトの効果)
『林政ニュース』編集部
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