国有林材の供給調整が原木滞留対策の焦点に 搬出期間延長や見合せなど6月中にも対応方針

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国有林材の供給調整が原木滞留対策の焦点に 搬出期間延長や見合せなど6月中にも対応方針

「コロナショック」の影響で木材需要が冷え込み、供給過多になった原木(丸太)が滞留して、材価の下落を招く事態が各地で目立ってきた。林野庁は、今年度(2020年度)第1次補正予算で原木の保管費などへの支援措置を講じるとともに、「過剰木材在庫利用緊急対策事業」に100億円を計上して“出口”対策を強化している。

だが、供給源である山元からの伐出量を抑制しなければ滞留問題の根本的解決にはつながらないとの懸念も強まっており、原木生産量の約2割のシェアを占める国有林材の供給調整が重点課題に浮上してきている。

国有林材の伐採・搬出(立木販売)は、全国に7つある森林管理局が公売・入札によって行っている。各局は、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、有識者らで構成する国有林材供給調整検討委員会をオンラインや書面で行った上で、当面の対応方針を決めている(トップ画像参照)。

各局は、出材ペースを落とすために、3年以内と定められている立木販売の搬出期間を延長することで足並みを揃えており、北海道局と九州局は、「立木販売の一時見合わせ」にまで踏み込んだ措置をとっている。

また、国有林材を製材工場や合板工場などに安定供給するシステム販売についても、協定締結時に、「特別な事情がある場合は販売時期・数量を調整する」旨の合意書を取り交わして、弾力的な対応がとれるようにしている。

林野庁は、毎年年末に中央段階の国有林材供給調整検討委員会を開催しているが、事態の緊急性を踏まえて今年は書面による前倒し開催に切り替え、6月中にも検討結果をまとめることにした。「非常に先が読みづらい」(国有林野部幹部)状況の中で、どのような対応方針が打ち出される...

『林政ニュース』編集部

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