衆議院選挙で与党大敗、小里泰弘農相が落選

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衆議院選挙で与党大敗、小里泰弘農相が落選

10月27日に投開票された第50回衆議院選挙で与党の自民党と公明党が大敗を喫し、農林関係議員の落選も相次いだ。自公両党で過半数割れに追い込まれ政権運営が不安定化しており、林政などに及ぼす影響も懸念されている。

林政関係議員も苦戦を強いられ、キーパーソンが議席を失う

関係者の間で大きな波紋を呼んでいるのが小里泰弘・農林水産大臣(66歳)の落選。小里氏は、10月1日に石破内閣で初入閣を果たしたばかりだが、小選挙区(鹿児島3区)で敗れ、比例復活もならず、議席を失った。現職農相の落選は2000年衆院選の玉沢徳一郎氏以来で極めて異例。小里氏は、特別国会が召集され現内閣が総辞職するまで、民間人の立場で農相をつとめることになった。

自民党では、農林部会長の細田健一氏(60歳)も新潟2区で敗退したほか、林政対策委員会のメンバーである西村明宏氏(宮城3区、64歳)、小島敏文氏(比例中国、74歳)、若林健太氏(長野1区、60歳)も落選し、政治資金問題で非公認となった菅家一郎氏(比例東北、69歳)は出馬しなかった。同委員会の顧問で都市(まち)の木造化推進議員連盟の会長をつとめてきた吉野正芳氏(福島5区、76歳)は、年齢と健康上の問題から引退。元農相の山本有二氏(比例四国、72歳)も落選し、政界から退く意向を表明した。公明党でも、農林水産活性化調査会長の稲津久氏(北海道10区、66歳)が議席を失った。

ニューフェースも登場、勢力図変わり予算編成などどうなる?

林政に関わるキーパーソンの多くが議員バッジを外すことになった一方で、初当選を果たしたニューフェースもいる。

福岡5区では、福岡県樹苗農業協同組合の組合長で全国山林種苗協同組合連合会の理事もつとめた栗原渉氏(自民党、59歳)が勝利し、念願の議席を得た。

栗原渉氏

また、東京18区では、元農林水産省職員(キャリア事務官)の福田かおる氏(自民党、39歳)が初当選した。福田氏は、2012年8月から約1年間、林野庁管理課で勤務しており、花粉症対策の強化などを公約に掲げている。

国会の勢力図が大きく変わり、今年度(2024年度)補正予算や来年度(2025年度)当初予算の編成作業などは見直しが避けられなくなった。林野庁は、年明けの通常国会に森林経営管理法の改正案を提出する準備を進めているが、「まずは状況をよく見極める必要がある」(幹部)というスタンスになっている。

(2024年10月27日取材)

『林政ニュース』編集部

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