異業種協議会が霧島市内で「次世代の杜(もり)」を造成、国有林を利用し広葉樹育成

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異業種協議会が霧島市内で「次世代の杜(もり)」を造成、国有林を利用し広葉樹育成

天孫降臨神話が伝わる鹿児島県霧島市内の国有林を利用して、官民連携で多様性の高い森林づくりを目指す取り組みが始まった。異業種連携の「かごしま持続可能な次世代の杜(もり)協議会」が鹿児島森林管理署との間で協定を締結。霧島山国有林内の伐採跡地に広葉樹等を植栽し、下刈りや歩道整備なども行っていくことで合意した。同協定は、林野庁の「社会貢献の森」制度に基づくもので、同県内で結ばれたのは初めて。11月19日(土)には、現地で植樹祭を開くことにしている(県と鹿児島署の共催、同協議会が協力)。

同協議会は、昨年(2021年)12月と今年(2022年)3月に鹿児島署が行った森林環境譲与税の活用に関する勉強会がきっかけとなって発足した。代表をつとめる(株)迫田興産(鹿児島県伊佐市)のほか、霧島神宮(同霧島市)、加治木猟友会(同姶良市)、(株)山崎産業(宮崎県延岡市)、(株)インフラックス(東京都港区)で構成している。活動目的の1つに、確実な主伐・再造林に向けた見本林の整備を掲げており、今年4月に霧島神宮の本殿などが国宝に指定されたことも記念して、鹿児島署との間で協定を取り交わした。

協定は8月8日に締結し、2026年度末までを期間としている。 対象地の面積は1.92ha。「星野リゾート 界 霧島」の近くにあり、主伐を行った跡地に、ヤマザクラ、イロハモミジ、ヤブツバキなどを植え、歩道などを整備して、四季折々の変化を楽しめるようにする。植樹祭を皮切りにして、参加者の輪を広げていく方針だ。

同協議会の迫田成満会長は、「今回の協定は、豊かな自然環境を次世代につなぐという目的のため、県境を越え、異業種が連携したことがとても意義深い」と話している。

(2022年11月19日取材)

(トップ画像=霧島神宮で協定式を行った)

『林政ニュース』編集部

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