(株)竹中工務店(大阪府大阪市)が開発した耐火集成材 「燃エンウッド」が2時間耐火構造部材の国土交通大臣認定を取得した(1月30日に発表)。 これにより、14階建ての木造ビルや最上階から14層までを木造にする建物の建設が可能になる。同社は、「燃エンウッド」を使ったモデル建築物として「アルタ・リグナ・タワー」の試設計も公開し、“都市の木造・木質化”を先導していく姿勢を鮮明にしている。
2時間耐火認定を取得した「燃エンウッド」は、トップ画像のような構造で、柱と梁などに使える。すでに1時間耐火の「燃エンウッド」が実用化されているが、2時間耐火認定を取得するため、燃え代層から燃え止まり層までを20㎜厚い105㎜として耐火性能を高めた(特許出願済み)。最外層の燃え代層がゆっくり燃えて熱の侵入を抑えるとともに、燃え止まり層の石こう系材が熱を吸収して、荷重支持部の燃焼や炭化を食い止める。
同社が2時間耐火認定の取得と併せて発表した「アルタ・リグナ・タワー」は、20階建ての高層ビルで、7~20階に「燃エンウッド」を使うことを想定。低層階は商業施設や会議場、高層階はオフィスとする複合用途の建物をイメージしている。同社では今後、1時間耐火と2時間耐火の「燃エンウッド」を合わせて、年間5~10件のプロジェクトでの使用を見込んでいる。
なお、2時間耐火構造部材の大臣認定は、(株)シェルター、日本木造住宅産業協会、日本ツーバイフォー建築協会も取得している。
(2018年1月30日取材)
『林政ニュース』編集部
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