国内で初めて、森林由来のクレジットを対象にした保険が昨年(2022年)12月に損害保険ジャパン(株)(東京都新宿区)から発売された。
同保険は、森林由来クレジットを創出した企業や自治体など(「クレジット創出者」)が対象(被保険者)となる。被保険者が所有する森林で火災などによって損害が発生した際に、不足するクレジット相当額を市場などから購入する費用について補償する。同社が取り扱う「企業総合補償保険」を利用し、森林の規模や立地条件などに応じて補償内容を案件ごとに決める。例えば、クレジットの支払限度額を400万円で設定した場合は、森林自体の損害と合わせて、約100万円の保険料を想定している。
同保険は当面、「ナチュラルキャピタルクレジットコンソーシアム」(東京都台東区、略称:NCCC)に参画する企業や団体向けに販売する。NCCCは、九州大学都市研究センターの馬奈木俊介教授が立ち上げた共同企業体で、森林や農地、海洋資源など自然資本による二酸化炭素(CO2)吸収量を測定・クレジット化し、カーボン・クレジット市場の活性化を目指している。NCCCには、同社のほかに、ソフトバンク(株)(東京都港区)、九州電力(株)(福岡県福岡市)など33企業、大分県国東市、佐賀県有田町、福岡県北九州市など9自治体が参画している。
(2022年12月15日取材)
(トップ画像=森林由来クレジットを対象にした保険のイメージ)
『林政ニュース』編集部
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