【物流の2024年問題に挑む】「荷物(仕事)」をつくってドライバーを支える古里木材物流

【物流の2024年問題に挑む】「荷物(仕事)」をつくってドライバーを支える古里木材物流

あらゆる産業を大きく揺るがすと言われる「物流の2024年問題」への対応が迫られている。働き方改革関連法に基づいて、トラックドライバーの残業時間が来年(2024年)の4月1日から年間960時間に制限される。これに伴って、今でも深刻なドライバー不足に拍車がかかり、物流コストの増加やサービスの低下につながると懸念されている。国土交通省は、具体的な対応策を講じないと、輸送能力が約14%低下する恐れがあると試算している。
林業・木材産業界にも、「物流の2024年問題」が影を落とし始めている。重くてかさばる丸太や木材製品を運び続けること自体が“重荷”であることに加えて、これまで築き上げてきた輸送手段やルートなども見直さなければならないからだ。この難局をどうやって乗り越えていけばいいのか。現場で奮闘するトップランナーの取り組みを追いながら、現実的な対応策を探っていく。まず取り上げるのは、岩手県盛岡市に本社を置く(株)古里(ふるさと)木材物流(畠山正社長)だ。

古里木材物流は、2011年の創業後、継続的な設備投資を行って事業量を拡大し、現在では年間12万m3以上の丸太(原木)を運送している。また、素材生産とチップ生産も手がけているほか、今年(2023年)7月からはジョイントベンチャー(JV、共同事業体)方式で木質バイオマス発電所の新設プロジェクトを進めている。

丸太を今までどおり届けられるのか?

6か所の中間土場を拠点に月間1万m3以上の丸太を安定供

古里木材物流の畠山社長に、「物流の2024年問題」への対応策を聞くと、「中間拠点を整備・確保していくことが重要」との答えが返ってきた。

同社の事業エリアである岩手県には、大型の合板工場やバイオマス発電所が数多く立地している。これらの大口顧客に対し、同社はノースジャパン素材流通協同組合(盛岡市)と連携しながら、山元から工場へ丸太を直送している。

同社の強みは、月間1万m3以上の丸太をコンスタントに取り扱えることだ。その拠点となっているのが、盛岡市周辺に整備している6か所のストックヤード...

『林政ニュース』編集部

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