中部森林管理局の東信森林管理署が管轄する長野県御代田町の浅間山国有林内に、国内で2か所目となるカラマツエリートツリー特定母樹の展示林が設定された。
エリートツリーは、第1世代の精英樹(成長や形質等のよい個体)をかけ合わせた個体で、成長や品質に一段と優れているのが特長。中部局と長野県、伊那市、林木育種センターの4者は、昨年(2022年)3月31日に「カラマツエリートツリー特定母樹の円滑な普及に向けた覚書」を結び、4月12日に伊那市の「ますみヶ丘市民の森」(民有林)に国内初の展示林を設け、エリートツリー特定母樹の苗木31本などを植え付けた。
浅間山国有林内に設定した展示林はこれに続くもので、国有林のフィールドを活用して整備するのは初めて。4月19日に、覚書を締結した4者と御代田町の関係者ら約50名が参加して、浅間山国有林の中にある清万採種園の一画に、エリートツリーの特定母樹接ぎ木苗120本と、比較対照として第1世代の精英樹23本を植栽した。今後10年程度をかけて、苗木の成長量調査や現地検討会などを行っていくとともに種子の採種が可能になった段階で展示林内を再整備し、採種園として活用することを計画している。
(2023年4月19日取材)
(トップ画像=66m×78mの展示林スペースに植栽した)
『林政ニュース』編集部
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