技能実習制度を廃止し「育成就労制度」創設 林業・木材の外国人受け入れにも影響か

外国人材を受け入れている技能実習制度を廃止し、新たに「育成就労制度」を創設する方針が決まった。人手不足が深刻な林業・木材産業は、技能実習制度を利用した外国人材の受け入れ拡大を目指しているが、新たな制度を睨んで「人づくり」対策をバージョンアップしていく必要が出てきている。

政府が設置している「技能実習制度及び特定技能制度の在り方に関する有識者会議」(座長=田中明彦・国際協力機構理事長)が11月24日に最終報告書をまとめ、技能実習制度を発展的に解消して「育成就労制度」を立ち上げることを提言した。これを受け、政府は、早ければ来年(2024年)の通常国会に新制度創設のための関連法案を提出し、成立後、実行に移す。

現行の技能実習制度については、受け入れ企業からの賃金未払いや不当な長時間労働、暴行や暴言による人権侵害などが生じていると海外からも問題視されている。また、実習生は原則として「転籍」が認められておらず、不当な扱いを受けても相談や交渉をする窓口が少ない実態がある。

こうした問題を解決するために創設する新制度では、未熟練労働者として受け入れた外国人を対象に、3年間の育成期間終了後、一定の技能と日本語能力が認められれば「特定技能1号」に移行して最長5年間働けるようにする。また、「特定技能2号」の試験に合格すれば、家族を帯同しての長期滞在も可能とする。「転籍」についても、就労から1年を超え、初歩的な日本語能力などがあれば認めるなどの改善を図る。

「木材加工」は技能実習2号へ移行、在留期間が3年に延びる

林業・木材産業における外国人材の“受け皿”づくりは...

『林政ニュース』編集部

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