大東建託(株)(東京都港区、竹内啓社長)は、カナダに新設した現地法人・大東カナダトレーディング(株)(ブリティッシュコロンビア州バンクーバー市、加藤富美夫・代表取締役社長)の事業を1月15日にスタートさせた。
同社は、年間約4万戸の木造賃貸住宅を供給し、その大半を木造2×4(ツーバイフォー)工法で建てており、主にカナダ産のSPF材を使用している。だが、カナダでは山火事や虫害の発生、伐採制限などの影響でSPF材の供給量が減少し品質も低下傾向にある。とくに、昨年(2023年)の山火事による森林の消失面積は約1,800万haに及び、近年では最も被害が大きかった。
カナダの現地法人は昨年9月に設立しており、これから北米の製材所などに関する情報収集・分析やSPF材調達交渉、新規取引先の開拓などの事業を本格化させる。加藤社長は、「これまでも現地の製材所とは電話などを介して情報収集をしてきたが、安定調達にはより詳細な状況把握と素早い対応が必要不可欠になってきた」と言う。カナダ現地法人の代表には同社技術開発部購買課チーフの佐藤洋生氏が就任。佐藤氏は、2016年に住宅メーカーから同社に転職し、SPF材調達のエキスパートとして知られる。加藤社長は「(佐藤代表は)現地の製材所との人間関係もできており安心して任せられる」と期待を寄せ、佐藤氏も「港湾状況の確認や品質の確保、協力会社との連携に力を入れてく」と意気込みをみせている。
(2024年1月15日取材)
(トップ画像=カナダSPF製材量・価格推移)
『林政ニュース』編集部
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