「固体バイオ燃料」に関するISOの技術委員会を日本で初めて開催

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国際標準化機構(ISO、本部=スイス・ジュネーブ)の「固体バイオ燃料」に関する技術委員会(ISO/TC238)が10 月26 日から31 日まで東京都千代田区の九段会館テラスを主会場にして開催された。

同委員会には世界の56か国が加盟しており、木質ペレットや木質チップ、木炭などを包含する「固体バイオ燃料」の国際規格に関する検討を進めている。今回で15回目となった同委員会が日本で行われたのは初めて。欧米やアジア、アフリカなど15か国以上から専門家や代表団が来日し、議論と交流を深めた。

参加者らは、千葉県の袖ヶ浦バイオマス発電所や出光興産(株)石炭・環境研究所などを視察した後、分科会を重ねた上で全体会合を開き、総括的な意見交換を行った。

議長をつとめたスウェーデンのフォルスベリ氏は、「本委員会は新しい章を始める。それは『熱生成バイオカーボン規格』の策定だ」と述べ、来年(2026年)6月にドイツで開催予定の同委員会に向けて検討を加速し、3年後をメドに新規格をまとめたいとの意向を示した。

全体会合終了後、記者からの質問に答えるフォルスベリ議長

同委員会に出席した森林総合研究所企画部上席研究員の吉田貴紘氏らによると、木質ペレットに関する国際規格の多くはすでに制定済みだが、ブラックペレットとバイオチャー(バイオ炭)などに関する規格は決まっておらず、これが「熱生成バイオカーボン規格」に関する議論の焦点になる見通しだ。ブラックペレットは、一般的な木質ペレット(ホワイトペレット)を半炭化させて発熱量を高めたもので、石炭などの代替燃料になるとみられている。

同委員会は17年前に発足し、日本は2年前から正式加盟している。今回は固体バイオ燃料標準化協議会(JBSA、岡本利彦・代表理事)が招致主体となって日本で開催した。

(2025年10月31 日取材)

(トップ画像=15か国以上から約50名が出席した)

『林政ニュース』編集部

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