10月31日から11月13日まで英国のグラスゴーで開催された国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)に併せて、2030年までに世界の森林減少を食い止め、回復させることを目指す宣言が採択された。
11月2日に現地で開かれた「世界リーダーズ・サミット」に出席した各国の首脳らが「森林及び土地利用に関するグラスゴー・リーダーズ宣言(Glasgow Leader’s Declaration On Forest And Land Use)」に署名した。同サミットは、英国のジョンソン首相が呼びかけて開催され、日本の岸田首相をはじめバイデン米国大統領やグテーレス国連事務総長ら世界の要人が顔を揃えた。サミットの成果として、2030年までに森林減少をストップさせることに105か国が合意。その後、同宣言の署名国は、141か国(11月12日時点)にまで増えてきている。
COP26に併せて合意、「グローバル森林資金プレッジ」に日本も資金拠出
採択された宣言では、森林を含めた陸域の生態系を保全し、回復を促進するなど6つの取り組み事項を明記(トップ画像参照)。これを達成するために、日本を含む12か国が「グローバル森林資金プレッジ(The Global Forest Finance Pledge)」を発表し、今年(2021年)から2025年にかけて120億ドルを拠出することを約束した。岸田首相は、日本として約2.4億ドルの資金支援を行うと表明した。資金の使途に関しては、アマゾンに次いで世界第2位の規模の熱帯林を有するアフリカのコンゴ盆地で森林保護対策を進めるため、少なくとも15億ドルを拠出することを決めた。
また、農産物の持続可能な貿易を促進して森林開発の圧力を低減させることを目的にした「森林、農業、コモディティ貿易(FACT)声明」も発表され、日本を含む28か国が署名した。
(2021年11月2日取材)
『林政ニュース』編集部
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