(株)BlueBee(熊本市)、千葉大学(千葉市)、九州電力(株)(福岡市)は、11月12日に大分県由布市内の「くじゅう九電の森」で「下刈りドローン」の実証試験を全国で初めて行った(林野庁補助事業)。
「下刈りドローン」は、総重量が約40kg、積載能力は約20kg。バッテリー駆動式で、約10分間連続して飛行できる。搭載している下刈り機の刃は、回転ワイヤー式。通常の下刈り作業で使われる円刃では航空法上の許可が下りず、キックバックが発生すると機体が不安定になりやすいためワイヤー式とし、地面との角度をつけて効率的に下刈りができるようにした。
操縦は、ドローン担当と下刈り機担当の2名のオペレーターが一組になって行う。ドローンオペレーターは手動でドローンを操縦し、下刈り機オペレーターがワイヤーの回転速度などを調整する。
目標は「空飛ぶ作業ロボット」、自動飛行や植栽への応用も
今後は、発電機搭載式のバッテリーを開発して約1時間の飛行を可能にするとともに、等高線沿いの自動飛行もできるようにして、「誰もが使える下刈りドローン」を目指すことにしている。
BlueBeeの黒木宏享社長は、「林内ではドローンに対する様々な影響を考慮する必要があり、まずはしっかり飛べるようにすることがポイントになる」とした上で、「私達が目標としているのは『空飛ぶ作業ロボット』。下刈りだけではなく、アタッチメント(付属部品)を変更すれば植栽もできるようなドローンを開発していきたい」と話している。
(2021年11月12日取材)
(トップ画像=作業中の下刈りドローン)
『林政ニュース』編集部
1994年の創刊から31年目に突入! 皆様の手となり足となり、最新の耳寄り情報をお届けしてまいります。