国内最大級の木造マンション「MOCXION INAGI」が完成

東京都 木造非住宅

三井ホーム(株)は、東京都稲城市で建設していた国内最大級の木造マンション「MOCXION INAGI(モクシオン稲城)」の完成見学会を12月8日に開催した。7月7日に構造見学会を行ってから約2,000人の見学者が訪れ、11月12日に入居者の募集を開始したところ、わずか8日間で総戸数(51戸)の9割近くが成約となるなど、好調なスタートを切っている。

「MOCXION INAGI」は、1階がRC(鉄筋コンクリート造)、2~5階が2×4(ツーバイフォー)工法の木造5階建てマンション。賃貸部分(47戸)の価格は、稲城市より都心に近い調布市と同等に設定しており、周辺の相場よりも約3割高い。

成約者へのアンケート調査で入居の理由を聞いた結果、1位は稲城市であること、2位は木造、3位はペット可となっており、木造が高評価を得ていることがわかった。また、「木造に興味がある」、「環境にやさしい」などの選択項目にも想定以上のチェックが入っているという。

5階と1階にあるショールームでは、断熱効果の高い木造ならでは取り組みとして、約90m2を14畳タイプ(4kW)のエアコン1台で冷暖房する施工を行っており、省エネ、省スペース化などについてデータ収集をしている。

これまで木造のマンションは、募集時に「木造アパート」としてしか表現できなかったが、12月6日から性能評価を受けた3階以上の共同住宅で一定の耐久性や耐震性などを満たせば「木造マンション」として募集できるようになった。アパートとマンションでは、イメージが大きく異なり、賃料や入居率アップが期待できる。  

また、木造マンションもエンジニアリング・レポートを作成すれば原価償却期間を現状の22年からRC造並みの50年に延長する見直しも行われており、新たな事業メリットを生み出すとみられている。

(2021年12月8日取材)

(トップ画像=「MOCXION INAGI」のエントランスホール)

『林政ニュース』編集部

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