京浜急行電鉄(株)(神奈川県横浜市、川俣幸宏社長)は、新規事業として学生向け賃貸マンションの供給を始める(8月21日発表)。第1弾として横浜市内に京急グループとして初の木造マンションとなる「プライムグレーヌ横浜桐畑」を建設する。建築工法には、三井ホーム(株)(東京都江東区、野島秀敏社長)が普及を進めている「MOCXION(モクシオン)」を採用し、来年(2026年)2月に竣工する予定。
三井ホームの「MOCXION」を採用し、環境負荷低減
「横浜桐畑」は地上3階建てで、延床面積は995.52m2、総戸数は37戸。建築材料には主にカナダ産材を使用し、一部で国産材を用いる。
木造マンションとすることで建物の1次エネルギー消費量を20%以上削減できるほか、経済産業省の「ZEH-M Oriented(ゼッチマンション オリエンテッド)」を取得し、共用部には再生可能エネルギー由来の電力を導入して、環境負荷の低減を図る。
部屋番号のプレートには、京急グループの社有林「みうらの森林(もり)」から搬出した広葉樹材を使用して、森林整備や木材利用の大切さをわかりやすく伝えるようにする。

(画像提供:京浜急行電鉄)
「横浜桐畑」は、JR線横浜駅や京急線神奈川駅などから徒歩圏内にあり、沿線の大学や専門学校などに通いやすい。運営は、学生マンション大手の(株)ジェイ・エス・ビー(京都府京都市、森高広社長)が担う。
京浜急行電鉄は、2022年に「京急グループ2050年カーボンニュートラル」を策定し、温室効果ガスの排出量を実質ゼロにする取り組みを行っている。同社の担当者は、「建築費の高騰や立地等を踏まえて、今後も選択肢の1つとして木造建築を検討していく」と話している。
(2025年8月21日取材)
(トップ画像=「プライムグレーヌ横浜桐畑」の完成イメージ、画像提供:京浜急行電鉄)
『林政ニュース』編集部
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