鳥取県日南町でLVL(単板積層材)を生産・販売している(株)オロチが過去最高益を記録し、超過債務も解消した。同町の日野川の森林木材団地内に工場を立ち上げてから14年が経過し黒字経営が定着。LVLの引き合いも強いため、新工場の建設など事業規模の拡大が計画されている。

経常利益が倍増、能力増強へ新工場の建設を計画
同社は、12月10日に第16期(2020年10月1日~2021年9月30日)の株主総会を開催して直近の事業実績を報告した。コロナ禍やウッドショックがあったものの国内の新設住宅着工戸数が堅調に推移したことなどが追い風となり、売上高は前期比8%増の14億700万円、経常利益は同94%増の1億5,500万円、税引き後当期純利益は同66%増の1億3,200万円といずれも大きく伸びた。LVLの販売量(2万980m3)や原木消費量(4万7,919m3)も過去最高レベルに達しており、正社員数は創業時の3名から68名にまで増えてきている。
同社の創業社長である森英樹氏(元林野庁職員)は昨年12月の第15期株主総会で代表権のある会長となり、後任社長に生え抜きの相見晴久氏が就任。代表取締役が2名となり、超過債務も解消したことから、新たな事業展開に踏み出す段階に入っている。
今後4~5年程度で用地を取得して新工場を建設し、生産能力を現状の2倍に増強することなどが検討されている。
森英樹・オロチ会長の話「原木の安定的な確保とLVLの販路拡大という目指すかたちができてきた。主伐・再造林を着実に進められるように、加工体制を拡充していきたい」
(2021年12月10日取材)
(トップ画像=オロチの期別純利益の推移)
『林政ニュース』編集部
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