11月27日に山梨県小菅村内の森林作業道で、林業用に開発された新型ダンプ「日野デュトロ 吉野EDITION」のデモ走行会が開催された。新型ダンプは、悪路でも走行できる積載量3tの四輪駆動車。生産中止となっていた旧型林業用ダンプの性能を高めて復活させたもので、関東地方では初のお披露目となった。
新型ダンプの前身にあたる旧型髙床四駆ダンプは2016年秋に生産がストップしたが、奈良県吉野地域の林業家らが「林業ダンプ復活」に向けた活動を開始。清光林業(株)とポロ・ビーシーエス(株)が「“悪路走行可能な新・高床四駆ダンプの再開発”を陳情する会」を結成し、新明和工業(株)、奈良日野自動車(株)、松原自動車(有)の協力を得て、日野自動車(株)とともに小型ダンプの開発に着手。2019年5月に林業仕様の日野デュトロダンプ(積載量2.7t)が製品化され、同年12月に1号車を納入。さらに改良を重ねて、車高を40㎜高め、積載量を3tに増やした「吉野EDITION」が今年(2021年)2月に完成した。
新型ダンプは、空車・積載時を問わず急勾配や凹凸のある作業道でも安定して走行できるのが特長。11月27日のデモ走行を視察した林野庁森林技術総合研修所の大政康史所長は、「急峻な狭い作業道でも問題なく登坂できる。小規模林業の効率性を高めるのに適している」と話している。
なお、デモ走行の様子は、北都留森林組合の公式YouTubeチャンネルで視聴できる。
(2021年11月27日取材)
(トップ画像=機動性の高い新型ダンプ)
『林政ニュース』編集部
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