山口県森林組合連合会(山口市、板垣幸美会長)は、同県美祢市の工業団地「美祢テクノパーク」内に、県内最大規模となる木材共販所「西部木材センター(仮称)」を新設する。昨年(2021年)12月22日に同市との間で進出協定を締結した。
同パーク内に約1.85haの用地を取得し、約3億円をかけて、原木の選別・貯木場や管理棟のほか、原木自動選別機、ホイール式ログローダー、フォークリフトなどを整備する。建設工事には1月下旬に着手し、9月から操業を始め、5名程度で運営していく予定。
20km圏域の集荷体制確立へ、2022年9月に稼働開始
山口県森連は、県内にある7つの森林組合が伐出するスギ・ヒノキを5か所の木材共販所(原木市場)などで受け入れ、集荷・販売を一元的に担っている。年間の取扱量は約9万m3に及んでおり、同県の年間素材生産量の半分に相当する。だが、流通拠点である木材共販所は東部と中央部に集中し、西部は手薄となっていた。
同県内の人工林は伐期を迎えており、主伐・再造林を促進して“若返り”を図ることが課題になっている。これから伐出量の増大が見込まれる中、同県森連は運送コスト縮減のため20km圏域の集荷体制確立を目指しており、西部の森林組合や素材生産業者、木材加工業者、バイオマス発電所などからも木材流通拠点の整備が望まれていた。
同センターは、3年以内に年間取扱量を1万5,000m3まで増やし、将来的には2万m3を目指す方針。集荷した原木は、県内外の製材工場や合板工場などへ協定販売を中心に供給することにしている。同県森連の担当者は、「マーケットへの安定供給と県内の組合系統の主伐・再造林の促進に貢献していきたい」と話している。
(2021年12月22日取材)
(トップ画像=山口県内の主な木材流通拠点と製材工場、木質バイオマス発電所など)
『林政ニュース』編集部
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