「大船渡市林野火災を踏まえた消防防災対策のあり方に関する検討会」が第1回会合を開く

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「大船渡市林野火災を踏まえた消防防災対策のあり方に関する検討会」が第1回会合を開く

大規模な山火事が続発していることを受け、消防庁と林野庁は、「大船渡市林野火災を踏まえた消防防災対策のあり方に関する検討会」(座長=関澤愛・NPO法人日本防火技術者協会理事長・元東京理科大学教授)を新設し、4月11日に初回会合を開いた。
平成以降で最大規模となった岩手県大船渡市における林野火災を中心に出火原因の究明や消防活動等に関する検証を行い、今夏をメドに新たな対策に関する検討成果をとりまとめる。

「新たな消防防災対策」を集中的に検討し、夏にとりまとめ

初回会合の冒頭に挨拶した池田達雄・消防庁長官は、「気候変動を受けて大規模な林野火災が今後も起こり得ることを想定して対策を考えていかなければならない」と述べ、「新しい消防の戦術として、新技術の活用、効果的な空中消火、消火剤などをどう活用していくか、海外の事例にも学びながら検討していきたい」と語った。

また、青山豊久・林野庁長官は、「これほど大面積にわたる私有林の山火事を復旧した経験はこれまでになく、所有者の意向確認と調整、被害木の処理や造林にあたる担い手の確保、被害木の利用先の確保など様々な課題を解決しながら総合的に進めていく必要がある」と強調した。

減少傾向だった林野火災が今年になって頻発、その背景などを探る

検討会の座長をつとめる関澤氏は、「我が国の林野火災は減少傾向にあったが、なぜ今年になって頻発しているのか、被害実態などを検証しながら、今後の発生予防対策や消防・防災対策に資するように検討していきたい」と述べ、短時間で延焼が広がる大規模林野火災への根本的な対応策が必要との認識を示した。

林野火災を巡る状況

検討会では、①林野火災発生時における効果的な空中消火・消火剤の使用、②消火栓や自然水利の確保が困難な過疎地・山間部での消火活動のあり方、③林野火災に対応できる新たな技術の開発──などを主要な論点に設定しており、月に1~2回のペースで会合を重ね、議論を深めていくことにしている。

検討会終了後の記者会見に応じる関澤座長

(2025年4月11日取材)

(トップ画像=4月11日に第1回会合を開いた)

『林政ニュース』編集部

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