王子グループの王子ネピア(株)(東京都中央区)は、北海道で栽培した薬用植物・カンゾウのエキスを配合したスキンケア商品を開発した。同社初のスキンケアブランドとして「ネピア 鼻セレブ SKINLISM(スキンリズム)」を立ち上げ、2種類の洗顔石鹸を公式オンラインストアで3月14日から販売する。石鹸にカンゾウのエキスを配合すると、泡立てる際に“とろみ”が生まれる。この“とろみ泡”によってきめ細かく顔をケアしながら洗うことができる。
使用しているカンゾウは、北海道名寄市にある王子薬用植物研究所(株)が約10年をかけて栽培技術を確立した。カンゾウは海外産が大半を占めており、国産のカンゾウは希少性が高い。
同研究所は、名寄市と下川町にある約20haの用地で2020年からカンゾウの栽培を行っており、年間に約10tを収穫できるまでになっている。苗の育成から乾燥まで一貫して品質管理を行っており、トレーサビリティ(生産・加工履歴)を明確にしている。
国内の紙需要が減少する中で、製紙関連企業は、新たな収益源を見出すことが課題になっている。2月27日に東京都内で新商品を発表した森平高行・王子ネピア社長は、「直接肌に触れる商品は、弊社の既存事業と親和性が高い。成長戦略の1つとしてスキンケア事業を育てたい」と意欲を語った。今後は、基礎化粧品などの開発も計画しており、2035年にスキンケア事業で100~150億円を売り上げる目標を設定している。
(2025年2月27日取材)
(トップ画像=“とろみ泡”(左端)と国産のカンゾウ、画像提供:王子ネピア)

『林政ニュース』編集部
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