大手木材商社のナイス(株)(神奈川県横浜市、津戸裕徳社長)は、和歌山県の(株)かつら木材商店(すさみ町、桂榮生社長)と同社の子会社である(有)きのくに林産加工(同)の全株式を2月26日に取得し、完全子会社化した。これに伴い、両社の社長には、髙木靖・ナイス理事が就任した。
かつら木材商店は1961年に創業し、紀州材を中心にした国産ヒノキ製材で事業を拡張し、現在は年間約3万8,000m3の原木を消費している。紀州材のトップメーカーとして知られ、生産した製品は関西圏や中部圏をはじめ全国に販売している。また、きのくに林産加工はプレカット事業を行っており、年間約3万6,000坪の加工能力を持っている。

ナイスとかつら木材商店は、以前から取引があり、関係は深い。
かつら木材商店は、桂榮生社長の子息で後継者だった桂光平氏が2017年10月に33歳の若さで急逝し*1、事業承継が課題になっていた。
紀州材のトップメーカーを傘下に収め、事業拡張を加速
ナイスグループは、「国産木材製品取扱量№1」を目指しており、2027年度までに今よりも取扱量を65万5,000m3増やす目標も設定している*2。
かつら木材商店を傘下に収めたことで、徳島県でスギを加工するウッドファースト(株)(小松島市、髙木靖社長)と合わせて国産材製材事業の基盤が強化される。また、香川県丸亀市に本社を置く大倉工業(株)(福田英司社長)とは、構造用集成材の生産拠点を新設する計画を進めており*3、量産供給体制の構築に向けた布石が着々と打たれている。
(2025年2月26日取材)

『林政ニュース』編集部
1994年の創刊から早くも31年目! 皆様の手となり足となり、最新の耳寄り情報をお届けしてまいります。