長野林大の男子寮を地元木材で建て替え、年内に完成予定

長野林大の男子寮を地元木材で建て替え、年内に完成予定

長野県林業大学校(木曽町)の男子寮が木曽産の木材で建て替えられる。7月末に上棟し、年内に完成する予定。来年1月から内覧会を行い、2022年度から使用を開始する。総工費は約5億5,600万円を見込んでいる。

現在の寮は、1979年に同校が開校した時から使用しているもので、5年前の耐震診断で強度不足が指摘されていた。新設する寮は、金物工法による木造2階建てで、延床面積は937m2。設計は新井建築工房+設計同人NEXT(長野県飯田市)、建築は(株)アスピア(長野県松本市)が担当し、木工事に関しては、材工込みで小澤木材(株)(飯田市)が請け負う。

使用する木材は、木曽木材工業協同組合を通じて調達する。柱や土台にはヒノキ、梁桁にはカラマツを用い、内外装にもヒノキとカラマツをふんだんに使用する。構造材は基本的にムク(無垢)のKD(人工乾燥)材とするが、長スパンの横架材には一部カラマツ集成材も採用する。材の加工ではプレカット率が98%となり、残り2%は伝統的な継手・仕口を手刻みする。

同校は2年制。「全人教育」を教育方針とし、林業に関する専門教育だけでなく、一般教養の授業もあり、全寮制による生活を通じて人格形成を図っている。寮の居室は、男女とも1年生と2年生が2人ずつの4人部屋。定員は各学年20人で計40人。女子寮は2015年度に建設したものを使用している(寮室は5室)。

新たな男子寮の寮室は26m2で、現状より3.5m2広くなる。ベッドも2段ベッドから机一体型の個人ベッドとし、プライバシー確保に配慮する。室数は全12室。チップボイラーや薪ストーブも導入し、多様な木材利用を実践するモデルとする。燃料チップは、地元の木曽町バイオマス事業協同組合が供給することにしている。

(トップ画像=新たな男子寮の完成イメージ)

『林政ニュース』編集部

1994年の創刊から早30年! 皆様の手となり足となり、最新の耳寄り情報をお届けしていきます。

この記事はフリー会員記事(778文字)です。
フリー会員になると続きをお読みいただけます。
詳しくは下記会員プランについてをご参照ください。