準大手ゼネコンの前田建設工業(株)(東京都千代田区、前田操治・代表取締役社長)は、農林水産省、経済産業省、環境省との間で「建築物木材利用促進協定」を11月12日に締結した。民間企業等と国が同協定を結んだのは、これで23件目。
同社は、2006年のキャノン箱根館(神奈川県箱根町)を皮切りに、住田町役場庁舎(岩手県住田町)やコエル渋谷(東京都渋谷区)など29件の木造・木質化施設を手がけている。
これまでの実績を活かし、同協定には、①木材利用に関する意義や環境効果、長所などをまとめたオリジナル資料の提供、②カーボンニュートラル、ネイチャーポジティブなどへの効果の”見える化”、③2029年までに非住宅のZEB採用率を29%から40%に引き上げ、④29年までに25件の木造・木質化物件を手がけ合法性を確認した国産材を構造材及び仕上げ材で1万m3利用──などの目標を盛り込んだ。
また、今年(2024年)10月16日に同社と岐阜県飛騨市(都竹淳也市長)、(株)飛騨の森でクマは踊る(飛騨市、岩岡孝太郎・松本剛共同代表)、(株)ツバメアーキテクツ(東京都世田谷区、千葉元生代表)の4者で締結した協定をベースに、地域のステークホルダーと連携して林業の効率化や用材率の向上を目指す方針も明らかにした。
前田建設工業の脇屋仁氏の話「カーボンニュートラルに貢献できる施設として木造・木質化のニーズが高まっている。オリジナルの木質部材も開発して、世の中のニーズに応えていきたい」
(2024年11月12日取材)
(トップ画像=協定書を手にする(左から)浦田秀行・経済産業省大臣官房審議官、脇屋仁・前田建設工業取締役専務執行役員建築事業本部長、青山豊久・林野庁長官、堀上勝・環境省大臣官房審議官)
『林政ニュース』編集部
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