第35回世界伐木チャンピオンシップ(WLC)で日本チームが健闘 レディースクラスで武藤唯選手が初の総合3位に入る

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第35回世界伐木チャンピオンシップ(WLC)で日本チームが健闘 レディースクラスで武藤唯選手が初の総合3位に入る

9月19日から22日までオーストリアのウィーンで開催された「第35回世界伐木チャンピオンシップ(WLC)」で、レディースクラスに出場した武藤唯選手((株)秋山林業、福島県)が同クラスの総合3位になり、クラス別の総合部門で日本人初のメダルを獲得した。プロフェッショナルクラスに挑んだ杉本和也選手(岐阜県立森林文化アカデミー、岐阜県)も総合6位に入り、同クラスに出場した日本人選手で過去最高順位となり、総合得点の日本記録も更新した。

前回大会(第34回WLC)では、レディースクラスとジュニアクラス(24歳以下)の個別競技(合わせ丸太輪切り競技)で日本人初のメダリスト(金と銀)が誕生しており*1、国際舞台における日本選手の存在感が高まってきている。

レディースクラスで総合3位となり銅メダルを授与された武藤選手(右端)(画像提供:全国森林組合連合会)

プロフェッショナルクラスでも杉本選手が過去最高の6位

第35回WLCには、前回大会を上回る21か国から93選手が参加。日本からは「第5回日本伐木チャンピオンシップ(JLC)」*2のプロフェッショナルクラスで1~3位となった髙山亮介選手((有)矢守産業、長野県)、横山太蔵選手(下仁田町森林組合、群馬県)、杉本選手と、ジュニアクラス1位の山岡空選手((有)矢守産業、長野県)、レディースクラス1位の武藤選手が出場した。

WLCに初出場した武藤選手は、レディースクラスの接地丸太輪切り競技で2位、枝払い競技でも2位に入り、総合3位になったことと合わせて合計3つのメダルを獲得した。

ジュニアクラスに初挑戦した山岡選手は総合11位にとどまったが、まだ21歳であり、次回大会でも同クラスでの活躍が期待されている。

なお、プロフェッショナルクラスに出場した3選手の合計得点を競うチーム総合順位では、21チーム中13位だった。

枝払い競技に挑む杉本選手(画像提供:全国森林組合連合会)

回を追うごとに成績がアップ、秋田リーダー「いい循環ができてきている」

WLCに日本代表チームがエントリーしたのは、今回で5度目。他の参加国は欧州勢が大半で、日本人選手は体格面で劣るほか、アウェーの競技環境を強いられているが、回を追うごとに成績が上がってきている。

チームリーダーをつとめた秋田貢氏(青森県森林組合連合会)は、「WLCに出場した選手が帰国してから、それぞれの現場で若い技術者らにノウハウや経験を伝え、切磋琢磨していることが大きい。いい循環ができている」と話している。

次回の第36回WLCは、2026年3月にスロベニアで開催される予定。同大会に向けた第6回JLCは、2025年秋頃に行う準備が進められている。

(2024年10月4日取材)

(トップ画像=第35回WLCに出場した日本代表チーム、画像提供:全国森林組合連合会)

『林政ニュース』編集部

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