官民6団体が連携し「ふくいウッドチャレンジネットワーク」設立

福井県 建設 木材・木製品製造業

福井県や福井県経済団体連合会などの6団体は、10月26日に「ふくいウッドチャレンジ推進ネットワーク」を設立した。建築物の木造・木質化や木製品の導入などを検討している企業などからの相談を受け付け、提案・アドバイスを行って県産材の利用拡大を図る。

同ネットワークは、県と県経団連のほか、県建築士事務所協会、県インテリアコーディネーター協会、県総合グリーンセンター、ふくい県産材販路拡大協議会で構成(参照)。総合窓口は県と県経団連に置き、会員団体も無料相談窓口を設けて、役割分担をしながら専門的立場から企業等からの相談に対応する。例えば、オフィスや商業施設の木造化であれば県建築士事務所協会、内装の木質化や木製品の導入ならば県インテリアコーディネーターが相談に乗る(トップ画像など参照)。

また、森林や木材への関心や理解を深める県内企業向けのセミナーや現場見学会なども開催する。同ネットワークの活動費などは、今年度(2022年度)については各団体が負担し、来年度(2023年度)からは県の予算を充てることが検討されている。

「木づかい企業」に80社登録、中大規模建築物の担い手育成

福井県は、昨年(2021年)10月22日に県経団連との間で「ふくい県産材利用推進に関する協定」を締結した。以降、サービス業や電気業など異業種を含めて県産材の率先利用を宣言する「ふくいの木づかい企業」が増えてきており、10月末時点の登録数は80社に達している。

「ウッドチャレンジ推進ネットワーク」が立ち上がり、「木づかい企業」にも広がりが出てきた中で、今後に向けた課題は県産材利用の実例を増やしていくことだ。

同県では延床面積300m2以上の中大規模建築物が年間50棟程度竣工しているが、木造建築物はほとんどない。木造化の案件があった場合も、主に都市部の設計事務所が受注している。

この状況を変えるため、一昨年度(2020年度)からは、県内の建築士を対象にした「フォレストアーキテクト講座」を行っており、毎年度約15名が受講している。同講座では、県産の一般流通材で中大規模建築物を設計することを目指しており、とくに構造設計に力を入れている。同県の担当者は、「県産材の利活用に向けた環境は整ってきた。来年度から本格的に実績を上げていきたい」と話している。

(2022年10月26日取材)

『林政ニュース』編集部

1994年の創刊から31年目に突入! 皆様の手となり足となり、最新の耳寄り情報をお届けしてまいります。

この記事は有料記事(1016文字)です。
有料会員になると続きをお読みいただけます。
詳しくは下記会員プランについてをご参照ください。