機械メーカーとタッグを組み「無人化林業」目指す久大林産【突撃レポート】

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機械メーカーとタッグを組み「無人化林業」目指す久大林産【突撃レポート】

大分県の別府市で開催された「2022森林・林業・環境機械展示実演会」(11月13・14日)が閉幕した翌日の11月15日、同県九重町の山林内に約60名の素材生産業者らが集まり、現地研修会が行われた。彼らの目的は、最新型高性能林業機械の“実力”を現場で確かめること。機械の実演を担当したのは久大林産(株)(大分県九重町、工藤洋一社長)。同社は県内トップクラスの素材生産量を誇り、林業機械メーカーとタッグを組んで「無人化林業」の実現を目指している。

松本システムエンジニアリングと協業、「T-Rex」が実演

11月15日の現地研修会は、九州国有林林業生産協会(熊本県熊本市、有馬純隆会長)の主催で行われた。久大林産が保有するフェラーバンチャザウルスやロングリーチ伐倒機、ドローンなどを披露し、会員らとの意見交換を通じて、今後の作業システムのあり方などを検討した。

その中で目玉となったのは、松本システムエンジニアリング(福岡県福岡市、松本良三社長)が開発した林内作業機械「T-Rex」の実演。「T-Rex」は遠隔操作で伐倒から集材、搬出まで一連の作業を行えるホイール(車輪)型多目的マシン。車体の前後とクレーン部、アタッチメント部の計4か所にカメラを装着しており、専用グラス(眼鏡)をかければ、立体的な画面によって、その場にいるような感覚で離れた場所から操作ができる。

同社と松本システムエンジニアリングは、15年ほど前から協力関係にあり、同社が現場目線で要望や注文を出し、松本システムエンジニアリングがそれに応えるというかたちで機械開発に取り組んでいる。その成果として、「T-Rex」などのニューマシンが生み出されてきている。

年間売上高約5億円、約3万3,000m3の素材を適材適所に販売

久大林産の創業は、1995年。素材(丸太)生産を主軸に事業基盤を固め、今では測量から路網開設、伐出、地拵えまでを一貫して行い、チップ材も生産している。また、森林組合と共同で森林経営計画を作成し、周辺...

『林政ニュース』編集部

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