約2,600haの森林を集約化、所有者の整備費負担はゼロ
西粟倉村の総面積は、約5,700ha。その約95%は森林で覆われており、約8割が人工の針葉樹林となっている。この資源を活かすため、同村では「百年の森林構想」に基づく「百年の森林事業」を進めている。
同事業の中心となっているのが、同村と森林所有者との間で取り交わされる10年間の森林管理委託契約だ。同契約に基づき、これまでに約2,600haの森林を集約化してきている。
集約化された森林は、同村に拠点を構える(株)百森(田畑直・中井照太郎・共同代表)が経営・管理し、村内の素材生産業者4社が間伐などの森林施業を行っている。
伐り出した原木(丸太)は、村内の土場に集められ、仕分けされて“適材適所”に販売されている。製材所で内装材に加工する場合もあれば、木工業者が家具をつくるケースもある。また、燃料用材は、村内の温泉施設の熱源として利用されている。
森林整備に要する費用は、基本的に国庫補助金や同村の助成金などで賄っており、所有者負担が発生することはない。原木の売り上げは、販売経費を除いて村と所有者が折半する仕組みだ。年間の森林整備面積は約100ha、伐出量は約1万m3に達している。
多様な価値実現へ広葉樹林化を試行、率先してハードルに挑む
西粟倉村の「百年の森林構想」と「百年の森林事業」は、これまで顕著な実績をあげてきた。だが、関係者は現...
『林政ニュース』編集部
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