森林技術コンサルタンツ協議会と都道府県森林土木コンサルタント連絡協議会は、昨年(2022年)12月8日に千葉県鴨川市の小湊地区で「観光・文化遺産を有する地域における治山対策工のあり方」をテーマにした現地研修会を行い、コンサルタント関係者のほか、林野庁、千葉県職員など約60名の技術者が参加した。
研修を実施した場所は、関東森林管理局千葉森林管理事務所が管轄する大森谷国有林等の治山施工地。管内には、日蓮聖人の出身地に建立された誕生寺や両親の墓所がある妙蓮寺、国の特別天然記念物に指定されている鯛の浦タイ生息地などがある。昭和の頃から歴史的遺産や自然景観に配慮した治山事業を行い斜面の安定化などを図ってきたが、治山施設の多くが施工後50年以上を経過して老朽化してきているため、最新の知見や工法などを活用して長寿命化することが必要になっている。
誕生寺では、隣接する保安林から伸びてきた枝などを、スペースが限られる中で安全に処理する方法などを検討。また、妙蓮寺では、参拝客が訪れる境内を使えるようにしながら、裏山斜面を安定化させるGeoベルト工法について視察し、従来の工法と比べて6割程度の省力化が図られ、労働負荷を軽減できることなどを確認した。
(2022年12月8日取材)
(トップ画像=誕生寺に隣接する保安林の整備手法を検討した)
『林政ニュース』編集部
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