人口が急減している地域で、複数の仕事を組み合わせて安定的な雇用環境を創出する「特定地域づくり事業協同組合制度」の利用が林業・木材産業の分野でも広がってきた。昨年(2022年)末時点で全国の68組合が同制度に認定されており、このうち18組合が人材の派遣先に林業や木材加工業などを位置づけている(トップ画像参照)。
同制度は、2020年6月に施行された「地域人口の急減に対処するための特定地域づくり事業の推進に関する法律」に基づいて創設された。業種にとらわれずに複数の事業者が連携して組合をつくって職員を雇用し、各事業者が必要とするときに職員を派遣することで雇用や給与の安定化を図り、新規参入者を含めた人材の確保・育成を推進する狙いがある。対象となる組合は都道府県知事が認定し、労働者派遣法に基づく派遣事業を届出で実施できる特例が適用されるほか、国や自治体からの財政支援が受けられる。
国(林野庁)も昨年10月に策定した新しい「林業労働力の確保の促進に関する基本方針」の中に同制度の活用を明記し、緑の雇用事業で職員の研修等を支援するなど、「複業」の利点を活かして林業・木材産業で働く機会を増やしていくことにしている。
(2023年1月30日取材)
『林政ニュース』編集部
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