EUDRとは? 欧州でスタートした“新たな規制“に学ぶ

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Preferred by Nature(デンマーク)、FoE Japan(東京都板橋区)、地球・人間環境フォーラム(東京都台東区)の3者は、7月12日にセミナー「EUDRと森林リスクコモディティ調達の未来」を東京都内で開催。違法伐採問題等に関心のある約200名が参加し、EUDRに関する知見を深めた。

EUDR(EU森林減少フリー製品に関する規則、EU Deforestation Regulation)とは、今年(2023年)6月29日からEU(欧州連合)が導入した新たな取り決めで、森林破壊や森林劣化に加担している恐れのある木材製品や農産物などの輸出入を禁止する一方、加担していない「森林減少フリー製品」の消費を推進し、世界の森林破壊に与える影響を軽減するのが目的。

EUDRは、EUが違法伐採対策として2013年に施行したEUTR(EU木材規則、EU Timber Regulation)の対象品目を木材製品から林産物や農産物等の計7品目とその加工品にまで広げ、生産工程における合法性だけでなく、生産地の状態や位置情報の確認・証明も求めることにしている。

セミナーではFoE Japanの三柴淳一氏が、日本国内の盗伐事件の事例を踏まえ、違法伐採対策を徹底するためには、「合法証明だけでは不十分であり、モニタリングツールの活用や調達リスクの適切な評価が必要」と発言。地球・人間環境フォーラムの坂本有希氏は、独自に行ったアンケート調査の結果から、半数以上の企業が調達リスク評価を採用していないことを挙げ、「デューデリジェンスの向上に取り組むべき」と課題を指摘した。

このほか、ESRIジャパン(株)(東京都千代田区)の吉田城治氏は、GISベースの木材合法性トレーサビリティシステムを紹介しながら、「位置情報を利用してEUDRに求められる属地的な合法性証明を実現したい」と述べ、Preferred by Nature日本支部代表の中村有紀氏は、「EUDRの遵守に向けた支援などを行って持続可能な林業経営と木材調達を広げていく」と締めくくった。

(2023年7月12日取材)

『林政ニュース』編集部

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