「やまぐちフォレストJV」を6か所で構築 “垣根”を乗り越え「成長型林業」実現

「やまぐちフォレストJV」を6か所で構築 “垣根”を乗り越え「成長型林業」実現

山口県は、再造林の促進や林業経営の収支改善など「成長型林業」の実現に向けて、森林組合や林業事業体などが“垣根”を超えて連携・協働する「やまぐちフォレストJV」を構築する事業をスタートさせた。県内の6地域で推進協議会を立ち上げ、先進地の視察やJV(ジョイント・ベンチャー、共同事業体)方式に関する勉強会などを行って、地域の実情に応じた「新たな林業経営モデル」の確立を目指す。各地域の実施状況については、来年(2025年)2月上旬までにとりまとめを行い、成果報告会を開催する。一連の取り組みを支援するため、今年度(2024年度)予算に必要経費として590万円を計上した。

5月29日には、県全域の推進母体となる「やまぐちフォレストJV推進協議会」(事務局は県森林企画課)を設置し、県森林組合連合会、県木材協会のほか、県下6地域に設立する地域協議会の関係者が一堂に会して当面の事業方針などを決めた。

第1回協議会に続いて、宮崎大学の藤掛一郎教授とNPO法人ひむか維森の会の黒田仁志代表を講師に招いて研修会を実施。「再造林率日本一」を目標に掲げて大型プロジェクトを進めている宮崎県*1*2の取り組みなどを学んだ。

5月29日に協議会と研修会を開いた

「林業担い手確保・育成支援センター」を山口県内6か所に新設

山口県は、県内にある5つの森林組合に、4月1日付けで「林業担い手確保・育成支援センター」を計6か所設置した。それぞれ支援員1名を配置しており、地域密着型のサービスを展開する。

各センターでは、森林所有者のほか、休日・農閑期に副業的に森林整備を行う人や、林業への就業を検討している人なども含めて幅広く無料相談に応じる。その上で、森林施業などに関する技術支援や補助金申請のサポートなども行えるように、GNSS測量機器や補助金申請書作成システムなどを整備した。相談者のニーズに合わせた仕事の紹介も行って、人材の掘り起こしなどにつなげることにしている。

(2024年5月29日取材)

(トップ画像=「やまぐちフォレストJV構築支援事業」のイメージ)

『林政ニュース』編集部

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