政府が5月に新設した「多様な木質材料の活用促進に関する関係省庁連絡会議」(議長=佐藤啓・内閣官房副長官)*1は、9月11日に首相官邸で2回目の会合を開き、国産材の利用拡大に向けて、BP材、DLT、WOOD.ALC、木骨農業ハウスの普及に重点的に取り組む方針を決めた。国内人口の減少で既存の住宅市場が縮小する中、これらの新しい木質材料を中核にして新規需要の獲得を目指す。
BP材(接着重ね材)は、柱材などの一般製材品を接着剤で張り合わせて大断面化した木質材料(トップ画像参照)。集成材よりも接着工程を簡素化でき、地域の中小規模の製材工場でも中大規模建築物用の横架材などを生産できる利点がある。日本BP材協会(東京都港区)が多様な意匠設計に対応可能な設計規準を来年度(2027年度)中に整備することにしている。
DLTは、製材品に穴をあけ木ダボだけで接合したパネルで、接着剤や釘を使用せず、簡易な設備で製造できる。用途には、床・壁、屋根などの構造材や現しの内装材が見込まれており、10月中に一般社団法人DLT協会(仮称)を設立する準備が進んでいる。また、第三者機関による性能評価を進めて、2028年度までに標準的な仕様を整えることにしている。

WOOD.ALCは、カーテンウォール(非耐力外壁)に使われているALC(軽量発泡コンクリートパネル)やECP(押出成形セメント板)に代替できる木質パネル。すでに、60分準耐火構造壁と30分耐火構造壁(非耐力)の国土交通大臣認定を取得しており、ニーズの高い60分耐火構造壁の大臣認定も今年度(2026年度)中に取得する予定で、外壁工事に関する建築工事標準仕様書への記載も目指している。
木骨農業ハウスは、農業用施設(温室・ガラス室)などの主材料である鉄を木材に切り替えたもので、熱伝導率が低くて結露が起きにくく、営農条件に合わせてアレンジしやすいメリットがある。強度実験等を重ねて、様々な農業施設に対応できる設計標準を2028年度までに整備することにしている。
このほか、第2回会合では、医療分野の研究者と連携して木材利用が心身に与える効果を科学的根拠に基づいて評価・検証することや、6月9日にこども政策推進会議(会長=高市早苗・内閣総理大臣)が決定した「こどもまんなか実行計画2026」に木育を位置づけて普及を後押しする方針なども確認した。
(2026年9月11日取材)
(トップ画像=BP材の概要)
『林政ニュース』編集部
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