高品質不燃木材「不燃木(ふねぎ)」の本格販売開始 国の認定を九州で初取得、新開発の難燃剤使用

高品質不燃木材「不燃木(ふねぎ)」の本格販売開始 国の認定を九州で初取得、新開発の難燃剤使用

高品質の難燃処理木材として九州で初めて国土交通大臣認定を取得した「不燃木(ふねぎ)」(商標登録名)の本格販売が12月から始まった。

「不燃木」は、福岡県工業技術センターインテリア研究所(大川市)や九州木材工業(株)(筑後市)などが共同開発した不燃木材で、建築基準法の「防火材料」のうち最も難燃性が高い「不燃材料」にランクされている。すでに、来年(2024年)5月に供用を開始する八女市役所新庁舎の内装材として「不燃木」を使用することが決まっており、今後、様々な建築物等の木質化を可能にする新材料として普及を図ることにしている。

燃焼性試験の様子(ヒーター加熱によって一般木材は着火しているが「不燃木」は着火していない)(画像提供:九州木材工業)

難燃処理した木材は、性能・品質には問題ないものの、経年変化によって表面に難燃剤がにじみ出てきたり、白い粉が吹いたようになる「白華」(はっか)が発生することがある。「不燃木」は、新たに開発した難燃剤を用いることで、これらの現象を抑制することに成功。経年劣化もしにくくなり、高い品質を長期にわたって維持できる。木材に注入した難燃剤について重量測定を行っていることに加え、分布状況を正確に調べるため、八光オートメーション(株)(糟屋郡粕屋町)が参画して2m超の長尺材にも対応可能な非破壊検査装置も開発しており、長期的な品質管理面でも国内最高水準を保っていくことにしている。

角博・九州木材工業社長の話「不燃木材に関するこれまでの実績を踏まえて、難燃処理技術を進化させることができた。積極的に普及していきたい」

(2023年12月1日取材)

(トップ画像=高品質の不燃木材「不燃木」、画像提供:九州木材工業)

『林政ニュース』編集部

1994年の創刊から早30年! 皆様の手となり足となり、最新の耳寄り情報をお届けしていきます。

この記事は有料記事(742文字)です。
有料会員になると続きをお読みいただけます。
詳しくは下記会員プランについてをご参照ください。