木質バイオマス発電事業を行っている(株)岐阜バイオマスパワー(岐阜県瑞穂市、伊藤勇社長)と(株)バイオマスエナジー東海(同、藤村重樹社長)*1は、再造林の費用負担を軽減するための基金を造成する。発電燃料として使用する未利用木材についてt当たりそれぞれ20円を拠出して基金を積み立て、再造林を行う森林所有者等にha当たり5万円を直接助成する。
2社は、3月5日に岐阜県林政部との間で「将来の森林資源の確保に向けた協定」を締結し、県の施策と連携しながら基金を造成・運用することを決めた。全体のスキームは上の図のとおりで、年間の基金造成額は220万円になり、約40haの再造林を支援できる。
主伐シフト加速、補助率85%に加え被害森林にも助成措置
岐阜県では、搬出間伐から主伐・再造林への移行を加速するため、2017年度から造林補助率を国+県で85%に嵩上げするとともに、10の市町では5~15%の上乗せ補助を実施している。これに加えて来年度(2020年度)からは、獣害等の被害森林で行う主伐・再造林一貫作業の主伐経費に対する定額補助(想定事業費の2分の1程度)を新設する。同県では、「皆伐施業ガイドライン」*2の趣旨を地域森林計画に反映させ、伐採旗制度の運用を全市町村で始めるなどの施策も展開しており、「新設基金と併せて主伐段階で一定の所有者還元ができるようにしたい」(林政部)としている。
『林政ニュース』編集部
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