林野庁は、国有林野事業に関する今年度(2026(令和8)年度)の主要取組事項や事業量を4月28日に公表した。国有林材の販売量や人工造林面積などはほぼ前年度並みを見込んでいるが、イラン情勢などの影響や木材需給の状況に応じて「変動することがあり得る」としている。
新たな取り組みでは、「昭和100年記念分収造林(グリーン・シェアリング)」を全国100か所程度で造成するほか、放射能で汚染された福島県の帰還困難区域における森林整備事業を本格化する。同区域の約3分の2(約1万7,000ha)は国有林であり、新設した福島森林再生センターが中心となって、除伐・間伐の実証事業や林道工事などを進める。
国有林材の生産・販売では、樹木採取権制度と造林付立木システム販売の事業者を6か所で公募して主伐・再造林を促進するとともに、造林・生産事業等を効率化するため2030(令和12)年に向けた新たな目標を設定する。
環境保全対策では、生物多様性の保全に配慮した森林施業の手引きと事例集を活用しながら取り組みを強化する。また、生分解性チェーンソーオイルを使用する事業体の入札時の評価を高める仕組みを導入して、環境にやさしい現場作業への転換を促す。

野生鳥獣対策では、捕獲したシカの処理を効率化するため、大型排水管を使って減容化する手法の普及を進める。地中に設置した大型排水管の中に捕獲したシカを発酵促進剤(ぼかし剤)とともに投入すると早期に分解され、「かさ(体積)」を減らせる。国有林内では、昨年度(2025(令和7)年度)末時点で東北・関東・近畿中国地方で20基を設置して効果が確認されている。担当官は、「シカの処理に悩んでいる自治体から強いニーズがある」と話しており、今年度は九州地方でも設置することにしている。
(2026年4月28日取材)
(トップ画像=国有林の2026(令和)年度主要事業量)
『林政ニュース』編集部
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