2035年の国産材利用目標量は4,200万m3、新「森林・林業基本計画」

林野庁は、新しい「森林・林業基本計画」に盛り込む目標数値などを決め、2月20日に開催した林政審議会で示した。パブリックコメントや同審議会の答申を経て、6月中に閣議決定する予定だ。

焦点である木材の需給見通しについては、目標年である2035(令和17)年の総需要量が現状(2024(令和6)年)より300万m3増の8,500万m3となる中で、国産材利用量は700万m3増の4,200万m3に伸びるとした。単純計算で国産材のシェア(木材自給率)は現状の43%から49%にアップすることになり、外材(輸入材)への依存度を下げながら国産材の供給力強化や再造林率の引き上げなどに取り組むことが課題になる。

新「基本計画」は、2021年6月に策定した現行計画*1*2の目標年(2030年)を5年先に伸ばして2035年にし、目標数値などを見直した。国内の人口減少に伴う住宅市場の縮小などを勘案して木材総需要量の大幅な伸びは見込まず、2030年時点の見通しは8,500万m3として現行計画の8,700万m3から200万m3引き下げ、2035年も横ばいで推移するとした。

国産材利用量については、2024年の実績(3,500万m3)が現行計画の目標の9割、建築用材の実績(1,800万m3)も目標の7割の水準にとどまっている。新「基本計画」では、2035年に向けた目標数値は増加見込みで設定したが、達成するためには非住宅・中高層建築物やリフォーム需要の獲得とともに製品輸出の拡大などが必要になるとしている。また、非建築用材の大半を占める燃料用材に関しては、木質バイオマス発電所の稼働に伴って増加するものの、そのペースは鈍化すると見込んだ。

「森林の状態」を人工林と天然林の2区分に再編し、誘導目標値を示す

林野庁は、木材需給見通しの見直しに併せて、2045(令和27)年に向けた国内森林の誘導目標値(目標とする森林の状態)も設定した。現行計画では、「指向する森林の状態」を育成単層林・育成複層林・天然生林に3区分し、育成単層林と育成複層林のそれぞれに人工林と天然林が含まれていてわかりにくいため、新「基本計画」では、「人工林」と「天然林」の2区分に再編し、天然林のうち里山林などは「利活用の対象とする天然林」として示すことにした。

目標とする森林の状態(森林の有する多面的機能の発揮に関する目標)
新しい「指向する森林の状態」の示し方

新たにKPI(成果指標)を定めて目標達成のプロセスを可視化

新「基本計画」では、進捗状況をより的確に検証するため、従来からの目標に加えてKPI(成果指標)を定め、林政審議会でチェックをする仕組みを導入する。これまでは、「基本計画の策定・変更」と「具体的な成果指標の設定」及び「フォローアップ」を別々に行っていたが、今後は林政審議会が一貫して実施することを閣議決定文書に明記する。

昨年(2025年)改定された「食料・農業・農村基本計画」でもKPIを設定しており、目標達成までのプロセスを可視化して、ボトルネックの洗い出しや解消に役立てることにしている。

KPI(成果指標)の設定による評価体系の見直しの概要

(2026年2月20日取材)

(トップ画像=林産物の供給・利用に関する目標)

『林政ニュース』編集部

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