天女山がリアルタイム通信可能なハーベスタを日本で初めて導入

山梨県 林業機械

山梨県北杜市の(有)天女山(小宮山信吾社長)は、リアルタイムで通信可能なICT(情報通信技術)ハーベスタを日本で初めて購入し、1月30日に現場で関係者にお披露目した。

リアルタイム通信機能を搭載した「H424」

同社が導入したのは、フィンランドに拠点を置くWaratah(ワラタ)社が開発した「H424」で、価格は4,700万円。Waratah社製の機械は日立建機日本(株)(埼玉県草加市、松村孝一社長)が取り扱っており、同社への販売業務は日立建機日本の特約店である(株)日建(山梨県南アルプス市、雨宮誠社長)が担った。

「H424」は、需要情報に基づいて最適な採材を行う「バリューバッキングシステム」や、カラーマーキング機能、GPS機能などを搭載しており、伐木造材作業を大幅に効率化でき、安全性も高まる。

大きな特長は、Waratah社も属する世界最大規模の機械メーカー・John Deere(ジョンディア)グループが提供するマップサービス「TimberMatic Maps(ティンバーマチック・マップス)」を使って、常に現在地を確認しながら作業ができることだ。

「H424」に乗車しているオペレーターは、樹種を選び、直材や曲がりなどを指定するだけで容易に造材ができる。また、マップサービスにアクセスできるメンバーは、スマートフォンやパソコンを使って、「どこに、何の樹種が、どの販売先向けに、何m3あるのか」が瞬時に掴めるようになる。

同社の小宮山社長は、「『H424』からは様々なデジタルデータが得られる。それらを活用することで木材の商流などを変えていき、日本林業全体のレベルアップにつなげていきたい」と意欲をみせている。

1月30日に42歳の誕生日を迎えた小宮山信吾・天女山社長

日本の作業条件に合わせて改良を加え、将来は遠隔操作を目指す

「H424」のベースマシンは「コンマ45」タイプだが、足回りについては一回り大きい「コンマ7」タイプにアレンジしている。また、標準モデルよりも車体を上げ、キャタピラをシングルグローサーにして登坂能力を高めている。細い木を複数本まとめて掴める「マルチ・ツリー・ハンドリング」と呼ばれるアタッチメントも搭載しており、日本の作業条件に合わせて独自の改良を加えている。

同社は、テザーシステムの実証事業などにも参画しており、日本のスマート林業を先導する立場にある。小宮山社長は、「H424」の導入を踏まえて、「将来的には遠隔操作の実用化も視野に入ってくるだろう」と見通している。

新規事業が牽引して売上高など増加、小宮山社長「成果を横展開していく」

同社の事業規模は右肩上がりで伸びており、年間売上高は2022年の約1億3,000万円から直近では約2億円に増加し、従業員数も13名から18名に増えた。年間素材生産量(約5,000m3)や特殊伐採の件数はほぼ横ばいで推移しており、新規事業である教育・コンサルティング関係が成長のエンジンとなっている。

研修会でICT林業に関する知見を深めた

「H424」をお披露目した1月30日には、日立建機日本の野口和也営業課長を講師に招いて、ICT林業の未来像などについて研修会を行った。野口課長は、「これからはシステム化やデジタル化が益々重要になっていく」と述べた上で、参加者に対して、「あなた達がそれを担う人材になって欲しい」と期待を込めた。

今後の展開方向について、小宮山社長は、「当社の事業成果を横展開していき、デジタル化の起爆剤になれればいい」と見据えている。

天女山の役員・社員と関係者

(2026年1月30日取材)

『林政ニュース』編集部

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