総合楽器メーカーのヤマハ(株)(静岡県浜松市、山浦敦社長)は、ギターに使用するインドローズウッドを安定して調達するため、インドの製材業者「オーバーシーズ・トレーダーズ(Overseas Traders)」との間で連携協定を締結した(11月20日に発表)。
インドローズウッドは、インド南部を代表する有用樹種の1つで、アコースティックギターの側板や裏板に使われている。インド南部の国有林を中心に伐採され流通しているが、森林内での天然更新が十分にできていないなどの懸念が出ている。
インド南部カルナータカ州フブリ市に拠点を置くオーバーシーズ・トレーダーズは、インドローズウッドを楽器用材として加工・販売することを主力事業にしており、世界各地の著名なギターメーカーと取引実績がある。
ヤマハは、オーバーシーズ・トレーダーズがインドローズウッドに関するサプライチェーンの整備や森林づくりなどに取り組んでいることを踏まえてカウンターパートに位置づけるとともに、現地の研究機関や政府機関とも連携しながら今後3年間で植林試験や材料の利用効率の検証、サステナブルな森林保全モデルの構築などを目指すことにしている。
アカエゾマツなどの楽器用材を育てる「おとの森」活動を展開中
ヤマハは、様々な木材を使ってピアノや弦打楽器、木管楽器などを製造しており、楽器用材を原産地で確保するため、「おとの森」と名づけた森林づくり活動を展開している。
オーバーシーズ・トレーダーズとの協働はその1つであり、すでにアフリカのタンザニアでアメリカン・ブラックウッド、北海道のオホーツク地方ではアカエゾマツを育てる「おとの森」活動を進めている。 これらのうちアカエゾマツは、かつてヤマハ製ピアノの響板に使われていた。オホーツク地域には、北海道全体の約25%にあたるアカエゾマツの人工林資源があり、ピアノ響板を製造している(株)ヤマハミュージッククラフト北海道(旧北見木材(株)、遠軽町)は、遠軽町及びオホーツク総合振興局との間で連携協定を結んでいる。ヤマハも北海道と包括連携協定を締結しており、これらをベースにして、アカエゾマツを再びピアノ響板に使用する仕組みをつくることにしている。
(2025年11月20日取材)
(トップ画像=アコースティックギターの原材料となるインドローズウッド、画像提供:ヤマハ)
『林政ニュース』編集部
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