栃木県の矢板市(齋藤淳一郎市長)は、9月1日に地元の森林組合や木材企業などとの間で「木材の安定需給に関する協定」を締結した。伐出材の“出口(需要先)”を確保して主伐・再造林を進め、森林資源を持続的に利用する「矢板林業SDGs」の実現を目指す。
同市のある矢板地域は、2018年度に国(林野庁)の「林業成長産業化地域創出モデル事業」に採択され、川上(素材生産業者)、川中(製材加工業者)と行政の関係者が連携して協議会を設立。今年3月には「矢板市林業成長産業化推進アクションプラン」を策定し、伐期を迎えた人工林における主伐・再造林の積極的な推進と、伐出材を製材工場が受け入れる体制等の整備を重点課題にあげた。
9月1日に結ばれた協定は、これらの課題解決に向けた第1歩となるもので、同市と、たかはら森林組合(江連比出市組合長)、高原林産企業組合(白石盛道代表理事)、(有)東泉林産(東泉喜之社長)、(株)トーセン(東泉清寿社長)、(有)マルハチ(渡邊久男社長)の計6者が協定書に署名。伐出材等に関する量的・価格的に安定した需要と供給の実現や、公平かつ互恵的な流通を担保するための透明性の確保などに取り組むことを申し合わせた。
同協定を受けて、これから業者間で具体的な取引協定などを締結し、年間の取扱数量や価格などを決めていく方針。その際には、地元工務店やハウスメーカーなど最終需要者も連携の輪に加えていくことが検討されている。関係者は、「山元(森林所有者)への還元額を明確にすることを通じて『矢板林業SDGs』を実践し、循環利用のモデルを示していきたい」と意欲を語っている。
(2021年9月1日取材)
(トップ画像=矢板市役所で協定書の締結式を行った)
『林政ニュース』編集部
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