林野庁は、11月24日付けで都道府県や関係団体に対し「林業労働安全対策の強化」を求める長官通知を出した。伐木作業などに伴って発生している重大事故を防ぐため、安全を確保するための留意事項を遵守するよう改めて要請した。今年(2021年)2月に農林水産省全体で安全作業規範に関する通知を出しているが、林野庁単独で労災対策強化の通知を出すのは異例だ。
林業労働災害の発生率は依然として高く、とくに死傷年千人率は全産業の10倍以上と最も高くなっている(トップ画像参照)。このため、今年6月に閣議決定した新しい森林・林業基本計画では、今後10年をメドに死傷年千人率を半減させる目標を設定した。これを受けて発出した今回の長官通知では、作業者や作業種ごとに遵守すべき事項を整理するとともに、「不幸な労働災害事故が起きることがないよう、その撲滅に関係者と連携して努力していく」(要旨)との長官メッセージも添えた。
林野庁は、長官通知の徹底を図るため、林業労働・経営対策室が中心となって全国キャラバンを行う。12月の鹿児島県を皮切りに、各都道府県を巡回して説明会などを開くことにしている。
(2021年11月24日取材)
『林政ニュース』編集部
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