【新製品】スマホやタブレットでラクラク調査「mapry(マプリィ)」

兵庫県 森林経営・管理

(株)マプリィ(兵庫県丹波市、山口圭司社長)が11月にリリースしたアプリケーションソフト「mapry」の反響が広がっている。インストールすればスマートフォンやタブレットで森林や立木などの調査を手軽に安価で行うことができる。同社には全国から問い合わせが来ているほか、福島大学や島根大学との共同研究も始まっている。

「mapry」は、林内で動画を撮るようにして各種のデータを計測し、3次元(3D)データに変換して、立木の胸高直径・材積を算出するほか、植生や地形情報も取得し、防災マップなども作成できる。

リモートセンシング技術を用いた森林調査などが徐々に普及してきているが、使用する機器やデータ解析費が高価であることが導入時のネックになっている。「mapry」によってその“敷居”が下がれば、毎木調査などの作業負担が軽減され、林業現場の環境改善にもつながる。

「mapry」の3Dモデル画面

「mapry」は、LiDARライダー)(光を用いたリモートセンシング技術)で林内を計測し、胸高直径や材積、植生、地形などのデータを取得する。取得したデータは、瞬時に3Dモデルや解析データ表に変換される。他の端末のデータや、ドローンなど航空測量で取得したデータとも連携できる。オフラインでも作動するので、電波が届かない林分でも使える。1端末当たりの利用料金は月額8,250円で、その他の機能をオプションで追加できる。

すでに10都道府県が「mapry」を導入しており、山口社長は、「今年度中に30都道府県にまで増やしたい」と意欲を示している。今はiPhoneやiPadなどiOS端末でしか使えないが、Android版の開発も進めており、「一定数が普及したら、小規模事業者や個人事業者などが導入しやすいバージョンをつくっていく」方針をとっている。

(2021年12月10日取材)

(トップ画像=「mapry」の操作画面、計測は歩きながら撮影するだけ)

『林政ニュース』編集部

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