国土交通省と林野庁は、木造4階建ての事務所や共同住宅をモデルにした「中大木造建築普及加速化プロジェクト」の現場実装に取り組む。同プロジェクトは、2023年7月から今年(2025年)3月まで実施し、公募を通じて先行モデルとなる5つの構法を選定した。これらの構法を一般化するために必要な「部材供給の枠組み」と合わせて、設計者や施工者への浸透を図り、実需の拡大につなげる。
6月26日(木)には、東京都江東区の木材会館でオンライン配信を併用して「事業成果報告会」(参加費無料)を開催し、普及活動を本格化させる。
同プロジェクトで選定されたのは、①既存の戸建木造住宅の延長線上にある技術を組み合わせた「木のみ構法」、②単純な架構でわかりやすく無理のない構法である「GIR接合による4階建て木造事務所標準モデル」、③カラマツの大断面集成材を鋼板挿入ドリフトピンで接合した一方向ラーメンと構造用合板張り高耐力壁を用いる「モクタス4」、④事業者ごとに異なっていたパネル化の仕様を標準化した「ツーバイフォーパネル工法」、⑤LVLと鋼製ブレースを用いる単純な架構で大スパンを実現する「中大規模木造用ブレース構法」。

いずれも施工が容易でコスト競争力が高いと専門家が“お墨付き”を与えたもので、都市部だけでなく地方の木造・木質化に寄与できると期待されている。
(2025年5月20日取材)
(トップ画像=「木のみ構法」のイメージ)
『林政ニュース』編集部
1994年の創刊から31年目に突入! 皆様の手となり足となり、最新の耳寄り情報をお届けしてまいります。